Big star 
[Live] 1992

このＬＩＶＥＳＨＯＷに居合せた人も覚えているかどうか分からないような、当時としてはほぼ誰もその存在すら気にかけて貰えなかった彼等の薄寂しい演奏が淡々と続く。しかしこの未発表音源にはそれだけにはとどまらない色んな人の様々な思いがこもっていると思う。帰らぬ70年代シーンへの憧憬、その裏でひと知れず活動していた彼等の記録と、もうないはずの記憶がここにはある。その温もりと空気がこのＣＤを特別なものとしている。　特にＲゴードンのライナーノーツは秀逸。

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Bruce Springsteen
[Born to run]　1975

路地裏の誰も知らぬ人の小さな事件を劇的に、優しく、力強くボスは歌う。その歌の主人公たちは何かに傷つき、這つくばりながらも懸命に何かを求める。だが多分彼等はそこを抜け出すことはないだろう。かなわぬ夢、行き止まり、去って行く友。認めたくないのに必ずやってくるその時が来るのを、ただ待つだけなのに力強い歌。そのあきらめに似た力強さがむしょうに感動させる。完璧なロックンロールの極点に辿り着いた瞬間が、このレコードにも確実にあるということ。

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Kinks
[Something else by]　1967

Waterloo Sunset
例えば、子供の頃、夏休みの夕暮れ。友人と隣町まで自転車で冒険に行った。財布には小銭しか入ってない二人はジュースを買うのも１５分迷う。ただ何も考えずにあそんでいただけなのに、こんな日の帰り道はいつも不思議な気持ちになる。いつまでもこんな日は続かないとは分かっていたが、そんな気配を押し殺して、夏の夕暮れをとぼとぼ歩いたそんな記憶が、この曲を聴くと思い出す。

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Bob Dylan
[Blood on the tracks]  1974

自由奔放に生きる彼女に対し、ただ「運命の一捻り」があることを待つだけの男。そんなこと、あなたにも私にもありませんか？
　「雨のバケツ」。「（自分の）できることが、しなくてはならないことで、（自分が）しなきゃならないことを、するんだよ。だからうまくゆくんだよ。」。
　自分がすべきこととかが何だか分からないくらい、不可思議な世の中。別に「何か」なんてなくても、自分のできることしか結局はできないのは当たり前であって、真実に違いない。

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